睡眠とウェルネス

 

眠りの浅い国、日本

毎日ぐっすりと眠れていますか?

写真のコアラくんは気持ちよくお眠りのようですね。

コアラの睡眠時間はなんと約22時間。羨ましいような、そうでもないような......。

 

実は、日本は世界で最も睡眠時間が短い国なのだそう。

睡眠は量より質が重要だとも言われますが、在宅時間の増加やリモートワークなどコロナによるライフスタイルの変化によって睡眠の質が落ちたと感じている人が増加しています。

 

〈睡眠時間のとれている度合い/厚生労働省 令和2年度 健康実態調査〉

  夜間、睡眠途中に目が覚めて困った…46.5%

  日中、眠気を感じた…39.4%

  睡眠全体の質に満足できなかった…31.9%

  寝付きに時間がかかった…28.7%

 

当てはまるものがありましたか。

寝つきが悪い、眠りが浅く何度も目が覚めてしまうというのは睡眠障害の症状です。

「いつものこと」と軽視せずに症状の改善に努めましょう。

 

《不眠の症状》

入眠困難:眠りにつくまでに時間がかかる

中途覚醒:睡眠状態を維持できない

早朝覚醒:起きる予定の時刻よりも早く目覚めてしまう

熟眠感欠如:充分に寝たという満足感が得られない

 

 

本当は怖い睡眠不足

睡眠には細胞の損傷を修復してホルモンを生成するという役割があります。睡眠によって体のバッテリーが充電されるのですが、睡眠不足になるとコルチゾールのようなストレスホルモンを大量に生成する可能性があります。コルチゾールが皮膚や結合組織を破壊すると老化が早まってしまいます。睡眠不足が続くと疲れた外見になるのはこうした理由からです。

睡眠不足かどうかは「日中の仕事や活動に支障をきたすほどの眠気の有無」によって測ることができます。

日中に強い眠気があるという人は、睡眠不足により注意力や作業能率が低下していること、ケアレスミスや事故を引き起こす危険性が高まっていることを自覚しなければなりません。

 

睡眠不足によって引き起こされる弊害には以下のようなものがあります。

 ● 認知・記憶・パフォーマンス能力の低下

 ● ストレスの増加

 ● うつ病の発症

 ● 高血圧・高コレステロール・心臓病・脳卒中などの発症

 ● 体重増加、肥満

 ● 免疫力の低下

 ● インスリン抵抗性の上昇、2型糖尿病の発症

 

特筆すべきは睡眠不足とインスリン抵抗性には関連があるという点。

糖尿病や心臓病、脳卒中など深刻な病の発症リスクが高まるというショッキングな研究結果も報告されています。また、ストレスで寝付けないためにうつ病を発症してしまう、など負の連鎖が続いてしまうこともあります。寝付けない、熟睡できない、体が疲れているのに眠れない、深夜や早朝に目が覚めてしまう、といった不眠症状は心の病の症状とも考えられます。

さらに、眠っても心身の回復感がない、気持ちが重い、物事への関心がなくなった、好きだったはずのことが楽しめない、ということが続く場合にはうつ病の可能性があります。

うつ病の人の9割に不眠症状がある、不眠症状のある人はうつ病にかかりやすい、というデータもあります。

 

 

質のいい睡眠とは?

睡眠が心と体にどれほど影響しているかを知ると、自分の睡眠の質が気になるのではないでしょうか。

 

以下の3つの項目は睡眠の質を測るものです。

すべてに当てはまっていれば質の高い睡眠がとれていると言えるでしょう。

 

1)入眠時間:就寝後30分以内に眠りにつけている

2)睡眠覚醒:就寝から起床までの間に目が覚める回数が1回未満、かつ覚醒している時間が20分以内

3)睡眠効率:85%以上

【睡眠効率の算出方法(分単位で計算)】

睡眠時間(眠っていた時間)÷就寝時間(ベッドにいる時間)×100

例:23時にベッドに入り朝7時に起床。眠りにつくまで30分かかり、夜中に一度も目覚めなかった場合

450÷480×10093.75  睡眠効率93

 

睡眠において重要なのは時間=量ではなく

 ● 効率

 ● 維持(途中で目が覚めない)

 ● 満足度

です。この3点が十分に満たされ、日中眠くならずに認知能力や身体能力を最大限に発揮できる状態。これも質の高い睡眠がとれているかどうかの判断基準となります。

 

質の高い睡眠は次のような効果をもたらします。

 ● 心身の疲労回復

 ● 免疫力の向上

 ● 美肌(成長ホルモンの促進)

 ● ダイエット(肥満防止)

 ● 記憶の定着

肉体と精神を癒し、疲労回復するだけではありません。さまざまな機能の向上もかなえます。誰もが毎日必ずとる睡眠。良い睡眠=生活習慣病や心の病の予防と捉え、自分の睡眠の質について見直してみてください。

 

 

QOSアップがQOLの鍵

QOS(Quality of sleep/睡眠の質)を改善するには「心身のリラックス」がカギとなります。リラックスした状態で就寝すると入眠がスムーズになり、熟睡できることがわかっています。ここでは深い眠りにつくためのリラックス法をご紹介します。

 

🌙 ブルーライトをオフにする

ブルーライトはメラトニンの放出を妨げ、睡眠を阻害します。スマホやタブレット、電化製品、シーリングライト、街灯に至るまで、ブルーライトに囲まれた生活を余儀なくされていますが眠る前は極力ブルーライトから遠ざかりましょう。寝る3時間前にはデバイスの電源を切ることを習慣化できると理想的です。

 

🌙 読書をする

眠るための読書の場合、タブレットよりも本が適しています。ブルーライトを避けるためです。自分が本を読むペースがメトロノミックなリズムになって眠気を誘います。

 

🌙 バスタブにつかる

一人きりになることができるバスルームは特別な場所。バスタブにつかって瞑想をしたり、マッサージをしたりして1日の疲れを解き放ちましょう。心が鎮まり、体温が上昇することで入眠への準備が整います。

 

🌙 CBDを摂る

心身のリラックスとケアに効果的なCBDは、睡眠にも有効です。

CBDには夜間にはメラトニンという眠りを促進する物質に変換されるセロトニンを活性化させる効果があります。

また、“幸福の分子”という別名を持つアナンダミドを促進し、ストレスホルモン“コルチゾール”を抑制します。

交感神経と副交感神経のバランスを整え、神経を穏やかにする作用が、自然な眠りに導いてくれるのです。

頻尿を抑える働きや疼痛・炎症の緩和作用もあるので、夜中に何度もトイレに行く方や痛みやかゆみが睡眠を妨げている方にも効果的です。

 

CBDの摂取方法〉

寝る1時間ほど前に舌下摂取するのが最も効果です。

カフェインレスのお茶などに数滴加えて飲むのもおすすめです。

 

🌙 エッセンシャルオイルを活用する

植物から抽出した香り成分であるエッセンシャルオイルは、天然の化学物質が集合した有機化合物です。

この香り成分が鼻腔から脳、脳から自律神経へと伝達し、自律神経やホルモンなどに働きかけることでさまざまな効果が得られます。

リラックス&鎮静効果もその一つ。香り成分により自律神経のバランスが整い、副交感神経が活発化することで心が穏やかになります。

 

〈リラックス効果、鎮静効果をもたらすエッセンシャルオイル〉

ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウム、ネロリ、サンダルウッド、オレンジスイート、マンダリン、ローズゼラニウム、スイートマジョラム

 

〈エッセンシャルオイルの利用法〉

バスオイル:湯船に数滴垂らして入浴する

ディフューザー:部屋全体に香りを行き渡らせる

マッサージオイル:キャリアオイルに数滴混ぜ、手足や肩など全身をマッサージする

ファブリックミスト:無水エタノール10mlにエッセンシャルオイル0.5mlを混ぜ、ミネラルウォーター40mlを加えて攪拌する。その液体を寝具やパジャマに噴霧する

 

QOSが向上するとQOLQuality of life)も必然的にアップします。自分のために、楽しみながら睡眠の質の改善に取り組んでみてください。

 

睡眠関連アイテム商品を集めたページはこちらから↓

睡眠サポートアイテム

 

参考:https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/backdata/1-2-3-22.html

 

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11131500/000634088.pdf

 

参考:https://www.thensf.org/what-is-sleep-quality/#:~:text=Sleep%20quality%20is%20the%20measurement,the%20sleep%20you%20are%20getting.

 

参考:https://aasm.org/lack-of-sleep-leads-to-insulin-resistance-in-teens/